ここでは、初心者の方向けの「実践的なタロット占い」のやり方を解説しています。
※当サイトは「カードのリレーションシップ(カードの出方や関係性)」を見て占う方法を推奨している関係上、カード一枚一枚の解説については省略させて頂いております。
各カードの象意につきましては、お手持ちの解説書などでご確認くださいますようお願いいたします。
タロットフルデッキ(78枚)の構成内容
タロットカードのフルデッキは、
・大アルカナ22枚
・小アルカナ56枚(1~10までの数札&コートカード4枚×4スート)
で構成されています。
■ 大アルカナ: より重要なメッセージ性を持って現れるカード
■ 小アルカナ: 日常的な事柄や、日々の出来事による心の浮き沈みを表すカード
■ コートカード: 出来事に登場する人物の資質や、ものごとに向き合う態度を表す
今日は、フルデッキカードの上記三種類のうちの「大アルカナ」と呼ばれるものを使いながら、
頂いたご質問について詳しく解説していこうと思います!
※通常は、カードの種類ごとに分けて占うわけではなく全部いっぺんにシャッフルしますが、
ここでは解説のために、同じ質問を「各パーツ(カードの種類)ごとにわけて」占っていきます。
質問①:好きな先輩との関係は今後どうなりますか?(男性・学生)
Q. 同じサークルの先輩に片想いしています。前に一度告白しましたが、彼氏がいると言ってふられました。この先付き合えるとは思いませんが、先輩との関係がどうなっていくのかが知りたいです。
「諦めることも突き進むこともできず、片想いを続けている」という男子学生さんからのご質問です。
この場合、お相手の方にはすでに恋人がいることがはっきりしていますので、
「恋が叶うかどうか」という視点ではなく「二人の関係性の変化」に着目して占っていきます。
片想いの恋を占う際、ついつい「付き合えるかどうか」をカードに聞きたくなってしまうのですが、タロットはおみくじなどとは違い、ズバリ「恋が叶う」などと答えが書かれているわけではありません。進展が遅い恋の場合などは、結果的に成就するものでも、すぐにはYESという判断ができないことも……。
ですから、カードへの質問の仕方としては、
「YES・NOを問う」のではなく、「今後の流れを見る」ための質問をして経過を推理する
のが一番読みやすい方法だと思います。
大アルカナだけで占ってみる~リーディング時の着目ポイント
前回同様、こちらも3カードスプレッドで占ってみることにしましょう。
カードの配置は、左から「過去」「現在」「未来」という風に読んでいきます。
■ 過去: 皇帝(逆)
■ 現在: 星(正)
■ 未来: 世界(正)
「大アルカナ」リーディング時の着目ポイント
① カードの背景の色合いの変化
② 人物の向きとその変化
③ 正位置or逆位置のバランス
それでは、上記の①から③までのポイントをふまえて一つずつ順番に読んでいきましょう。
【過去:皇帝(逆)】
二人の関係性について、過去には皇帝のカードが出ていますので、
皇帝が示す「エネルギッシュなやり取り」があった様子が伺えます。
一度告白をしたとのことなので、そのときの二人はとてもホットな状態だったのでしょうね。
① 皇帝のカードには赤とオレンジが使われているのが目立ちます。この色合いからは、告白したときの「恋を獲得するぞ!」という情熱のようなものが感じられます。
② 皇帝は正面を向いています。告白した当初、ご相談者さまはこのお相手のことだけを真っ直ぐに見つめていた様子が読み取れます。
③ 皇帝のカードは逆位置です。このときの二人は、スムーズに関係性を深めていける状態ではなかったようです。お相手にはすでに恋人がいましたので、皇帝のカードが示す情熱は「空回りする結果」となってしまいました。
逆位置だからといってシンボルの意味が真逆になる訳ではない
逆位置が出たからといって、カードが表すシンボルが真逆の意味になる訳ではありません。
そこに描かれたシンボルが示す性質は、正位置・逆位置共に変わることなくちゃんと備わっています。
正位置の場合はそのカードが持つ性質がストレートに現れることを示し、逆位置の場合は現れ方がねじ曲がっていたり、あるいは持っている性質が何らかの要因によってうまく現れなかったりする状態を指しているととらえます。
【現在:星(正)】
星のカードは、どこか現実離れした理想のような状態であることを表わしています。
二人の関係性は、皇帝が示す「現実的な獲得意欲」の状態から、
「手の届かないところに置いてそっと眺める」状態へと移行していったという風に考えられます。
① 星のカードの背景には水色が使われています。この色合いから、この恋が「穏やかで精神性の高いもの」に変わっていった様子が読み取れます。
② 描かれた女性は斜め下を向いています。二人の関係性は、ここへ来て「すでに存在する恋人」の影響を意識し始めたのかもしれません。
③ 星のカードは正位置です。現在の二人の関係性は、ごくスムーズな状態にあるものと思われます。
【未来:世界(正)】
世界のカードは、この恋が「一つの完成形に落ち着く」ということを暗示しています。
隣り合うカードが星なので、現実的に交際に発展する可能性はあまり高いとは言えません。
このままの状態でお相手の学校卒業を迎える、または恋が終わっていくという風に思われます。
① 世界のカードの背景には水色が使われています。星のカードと同様に、この恋が「穏やかで精神性の高い状態」のままで完了することが予想できます。
② 描かれた女性は斜め横を向いています。皇帝のカードと星のカードを静かに振り返りつつ、実在する誰かの影響を受けて「この恋が完了していく」ことが予想できます。
③ 世界のカードは正位置です。未来の二人の関係性は、とくにトラブルなども起こらない状態であることが予想できます。
このリーディングのまとめ
■ 過去: 皇帝(逆)
過去に告白した当初、ご相談者さまはとても情熱的な状態にあったと思われます。
ただしお相手にはすでに恋人がいて、この情熱は残念ながら空回りしてしまいました。
■ 現在:星(正)
二人の関係は「付き合う・付き合わない」という現実的な問題からは遠ざかり、
心の中で静かに想い続ける「片想い」の状態へと移行していきました。
■ 未来:世界(正)
隣り合う星のカードから見て、この恋は「きれいな思い出」として終了していく可能性が高いでしょう。
正位置であることやカードの色合いから、とくに大きな問題もないまま完成形を迎えると思われます。
次回以降は、同じご質問を「コートカードだけ」「小アルカナだけ」で読んでみたいと思います。
最終的に、すべてのカードを並べて総合リーディングを行う予定です。
※今回、リーディングサンプルとして「だいき」さまにご質問をお寄せ頂きました。
(なお、次回も引き続きこちらのご質問をサンプルとして取り上げさせて頂きます)
ご協力頂きました「だいき」さまに心より御礼申し上げます!
※本コンテンツの無断流用等は固くお断りさせて頂きます。