全国ニュースで報じられたスーパーヒーロー物語
2017年11月29日夜、山梨県のとある市営団地で108平方メートルが全焼する火災が発生しました。
その際、出火を知った男子高校生が無我夢中で火元の部屋に駆けつけ、足の悪い住人を背負って救出。
また立ち往生していた人々も全員、2階から無事救い出したというニュースが全国を駆けめぐりました。
このニュースは様々なメディアで大きく取り上げられたので、ご存じの方も多いかもしれませんね。
山梨県警は21日、火災で高齢者や小学生ら計8人を助けた韮崎工業高校3年の日原拓哉さん(18)に県警本部長名の感謝状を贈った。日原さんは幼いころ、災害から人々を助け出す特撮番組のヒーローにあこがれ、「消防士でなくても人助けはできる」と、普段から消火器や自動体外式除細動器(AED)の使い方の講習会に参加していたという。
火災は11月29日夜、甲府市の5階建て市営団地の1階で起き、真上の日原さんの部屋と合わせて108平方メートルが全焼した。学校から帰宅直後だった日原さんは、出火を知ると無我夢中で飛び出し、火元の部屋から足が不自由な70代の男性を背負って救出。火と煙のため階段の踊り場で立ち往生していた高齢者や小学生ら7人を家族や消防団員らと協力して助け出した。
団地には高齢者が多く、日原さんは「何かあった時は自分たちが動こう」と家族で話していた。感謝状を受け、「助けられて良かった。地域のみんなで受けた賞状です」と話した。
実は運命の導きだった?あまりに『出来すぎた』見事なシチュエーション
特撮ヒーローに憧れていた高校生が、実際の火災に遭遇し、多くの人の命を救った――
それだけでも美談として余りある話ですが、実はこのお話にはさらに驚くべき秘話が満載だったのです。
▲ 日原くんは私の甥っ子の友人ということで、今回特別にインタビューさせて頂きました(笑)
火災が発生した当時、日原くんはたまたま地域の消防団作成による防災パンフレットを読んでいました。
というのも、数日後に学校で消火訓練が行われる予定があり、
「訓練で放水作業を買って出たらカッコイイだろうな~」なんて漠然と思ったからだそうです。
幼い頃にTVで見た戦隊ヒーロー番組の「レスキューフォース」がカッコ良かったこと、
また彼のお父さんが地元の消防団に入っていたということもあり、
日原くんの中に、こうした災害へのレスキュー意識が自然と培われていたことは間違いありません。
いざ火災が起きてみると、「まさか自分が……」としか思えなかったそうですが、
常日頃から「団地で何かあったら家族で手伝おう」と話していたのは、きっと偶然ではないはずです。
出火当時、火元の部屋に住んでいたおじいさんが「火事を出してしまった」と管理人さんに電話をかけ、
管理人さんがすぐさま日原家の扉を叩き、彼が消火器を持って部屋を飛び出したということですが、
彼がこの日、このタイミングで防災パンフレットを読んでいたことは、
まるで「その時が来た」ことを知らせる合図か何かのように思われてなりません。
おそらく彼の人生には、元々何らかの形でレスキューに関わる筋書きが組まれていたのでしょう。
そしてこの日、そのプログラムが発動した……そう考えても差し支えないだろうと思います。
(ちなみに彼はファイアーマンの象徴・火星を支配星に持つ、納得の牡羊座生まれです!)
それはカルマか?それとも天命か?嘘みたいなトラブル続きの果てに
足が不自由なおじいちゃんを背負って、燃え盛る火の中を脱出した日原くん。
実は彼はこのとき、交通事故で靭帯を損傷し、満足に歩き回れる状態にはありませんでした!
サッカー少年だった日原くんですが、最後の大事な試合の二日前に事故に遭ってしまい、
足を麻痺させ無理を押して試合に出たものの、15分と持たずにものすごく悔しい思いをしたのだそう。
そして学校通いにも支障が生じたため、タクシーで通学していた最中に例の火災が起こりました。
その状態で成人男性を背負い火の中を脱出するなんて、超人的すぎてにわかには信じられません!
火災に遭って自宅が全焼する中、8名の命を救った。
しかも、その一か月ほど前には交通事故にも遭っていた……。
それだけでも「一生のうちに一度遭遇するかしないか」レベルの出来事だと思うのですが、
何と日原くん、その数か月前にはさらに驚くべきアクシデントにも見舞われていたのです!
聞こえないはずの音が度々聞こえていたある日、突然記憶喪失に!
この火災が起きる7~8か月ほど前、聞こえないはずの音が聞こえたことが何度かあったそうです。
友達と道を歩いている途中、後ろから車のクラクションが聞こえたので道端に寄ったという日原くん。
でもそのクラクションは、一緒に歩いていた友達にはまったく聞こえていませんでした。
さらに別の日には、通りがかった家の窓からピアノの音が聞こえたことも……。
でもその時も、一緒にいた友達の耳には全然聞こえていなかったらしいのです。
そんな出来事がちょこちょこ起きていたある日、日原くんは朝からとても体調が悪かったそうです。
おでこに冷えピタをはって学校に行ったものの、朝の会の途中でトイレに引きこもってしまいました。
しかし何分経っても戻ってこなかったため、心配した友達がトイレに駆けつけると、
何と、彼はトイレの中で気を失って倒れてしまっていたのでした。
トイレから友達に救出された彼は、そのままドクターヘリで病院へと搬送されました。
日原くんによると、「気を失って目が覚めたら病院にいた」らしいのですが……
実は彼はそのとき、それまでのいきさつはおろか、自分の名前すらも分からなくなっていたのだそう。
つまり、今までの記憶を完全に失った状態、いわゆる記憶喪失になってしまっていたのですね。
思い出せない苦悩の日々……家族さえも拒否し続けていた二か月間
連絡を受けた親御さんが彼を病院に迎えに来たのですが、何しろ自分の名前すらも分からない中、
家族であっても ただ混乱して拒否するより他にどうしようもなかったそうです。
連れられて自宅に帰ってはきたものの、ずっと布団をかぶって部屋に引きこもるばかりの日々……。
「名前を聞いて、ああそれが自分の名前なんだなと理解しました。
信じざるを得ないから、仕方なくそこにいたって感じです。
まるで知らない人の部屋みたいで、家族が入ってきても違和感しかなかった」
――そんな風に語る日原くんは、そのまま一か月くらいずっと学校を休み続けていたそうです。
「国語常識」といった小学生レベルの漢字さえ読めない、電車の乗り方すら分からない……
それらを一から教えてもらいながら少しずつ学校復帰を始めた彼ですが、
搬送されてから二か月ほど経った頃、以前の記憶がようやく戻り始めました。
クラスメイトの話している内容が「あっ、そうだった!」とだんだん一致するようになり、
日原くんの表情にも笑顔が増え、気付いたらすっかり元気になっていたそうです。
元々“委員長”というニックネームで呼ばれていた私の甥っ子は、
「それまでよそよそしく“君付け”で呼ばれていたのが、ある日突然“委員長”に戻って嬉しかった」
と言っていました。記憶の取り戻し方って、そんな感じなんですね。
▲ 日原くんと“委員長”(笑)
天界からの「ダウンロード」?不思議現象は智慧を授けられていたサインかも
これらの出来事は、医学的には何らかの脳機能的な障害だと位置付けられるのかもしれません。
ですが私には、日原くんの人生計画にとって重要な「天の智慧」をダウンロードされていた期間、
だという風に感じられてならないのです。
たとえば私の母もかつて、臨死体験をしていたと思われる昏睡期間を経て、
あまりにも見事にカルマの解消を成し遂げ、予言通りに自らの死を迎えたといったことがありました。
現実世界に生きる記憶を一時的に消し、天はその間に何らかのはかりごとを進めている……
そんなことをふと考えてしまうのも、あながち間違いではないのでは?なんて思ってしまいます。
日原くんが体験したこれらの出来事が、彼の人生にとってどんな意味を持つのかはまだ分かりません。
とはいえ火災現場で一人の負傷者も出さなかったことは、明らかに意義のあることには違いありません。
この春、卒業と同時に美容師への道を歩き始めるという日原くん。
(セオリー通りにレスキュー隊を志願している訳ではないのが面白いところですがw)
天皇陛下より、近日中に勲章を賜ることにもなっているそうです。
事実は小説より奇なり、とはよく聞く言葉ですが、
彼のこの一連の体験は、私が知る中でも「最も奇想天外なニュース」だったのではないかと思います。
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